フリース:「羊の毛をバリカンで刈り取る時に、1頭分の毛が絡み合い、1塊の毛皮状になったもの」
FORM
HISTORY
ENVIRONMENT
FUNCTION
MATERIAL
人類は、何千何万年も前から、寒さと戦ってきました。
寒さを凌ぐため、屋根や壁のある家をつくって住み、火を起こして暖を取り、暖かい衣服を仕立てて着る。その繰り返しで、生活や文化が発展してきたともいえます。
そんな人類と寒さの歴史を語るのに欠かせない動物が、羊です。
諸説ありますが、紀元前7,000年頃から人類は羊を家畜として飼育し、羊毛を使って、暖をとるための衣服や寝具、織物をつくってきました。交配を繰り返すことで、今では約3,000種類も生息している羊は、人類と約9,000年近くも密に共存し続けているのです。
長きに亘り、人類に重宝されてきたウール、その特長は大きく3つあります。
・繊維自体が縮れているので、暖かいこと
・短い毛が絡み合っているので、弾力性と通気性に優れ、着心地が良いこと
そして、近年問題になっている、洗濯時の排水による海や河川への汚染に関して
・天然繊維なので、生分解性が高く、自然に還ること
私たちがフリースをつくるにあたり、最も適した素材が、広く使われているポリエステルではなく、ウールと考えたのもそのためです。
実は、フリースの語源は「羊の毛をバリカンで刈り取る時に、1頭分の毛が絡み合い、1塊の毛皮状になったもの」。つまり、本来は化学繊維ではなくウールのことを指しています。
語源に倣い、ウールを軸に作った全く新しいフリースが、THE WOOL FLEECEです。
ウールは、熱伝導率が低く、吸湿性が高い繊維で、一本一本が縮れているため暖かい空気を多く含むことができます。しかし、天然繊維のため、毛が短く、そのままでは起毛生地にできないことが問題でした。
そこで、THE WOOL FLEECEの生地には、モールヤーンを採用しました。
モールヤーンとは、2本の糸を撚る際に、他の糸を挟み込むことで、全体に直立した毛羽ができる糸のこと。芯糸にだけ少量のナイロンを、巻きつける糸には全てウールを使用した生地は、熱が外に逃げにくく、身体をしっかりと保温します(混率 ウール92%・ナイロン8%)。
たっぷりのモールヤーンを、緻密かつ丁寧に編み立てたこの生地は、表面に多量の柔らかな毛が立つので、心地よい肌触りになります。また、短毛のウール同士は自然と絡み合うので、弾力があり、通気性の良さも特長です。生地の内側には、あえて化学繊維の裏地をつけず、ウール特有の着心地を最大限に生かしました。
腰の左右のポケットは、ハンドウォーマーとして設計しています。
ファスナーは付けずに、縫製のラインと合わせることで、ハンドウォーマー自体が目立たせなくすると同時に、生地の縫製仕様により、簡易的な内ポケットにもなっています。
胸にはスマートフォンや鍵などを入れることができるファスナー付のポケットをつけ、アウターとしての使いやすさも考慮しています。
このウールフリースは、家庭で手洗いができます。
実は、一般のフリースのほとんどがポリエステル製の起毛生地のため、洗濯をするたびに繊維が抜け落ち、排水後、マイクロプラスチック(ファイバー)として海や河川に流れています。これを減らすためには、糸が抜け落ちにくい高品質なアイテムを選ぶことや、目が細かいウォッシングネットを使うことが効果的ですが、私たちは、起毛自体に天然繊維のウールを使うことも一つの答えだと考えています。天然繊維は生分解性が高く、時間をかけて自然に還っていきます。
製造は、日本有数のニット産地である山形県で、1952年に創業した米富繊維。創業時から続けている編み地の研究により、2万点以上にもなる編み地のパターンをアーカイブしています。
ローゲージニットをつくる上で欠かせない全自動横編機の所有数は、国内で最も多い43台。世界でもトップクラスの生産体制により、アパレルブランドから絶大な信頼を得るニットメーカーです。
※モデル 176cm / 58kg サイズM
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[お洗濯の注意点]
ご家庭での手洗いが可能ですが、ウールは水分をよく含むこと、また編み地のため伸縮性が高いことから、ハンガーで吊り干しをしてしまうと、重力により着丈が伸びることがあります。
製品に記載している洗濯マークにならい、必ず平干しをしてください。
手洗い / 漂白剤不使用 / アイロン温度150℃以下 / ドライクリーニング
THE公式ハッシュタグ:#THE_WOOL_FLEECE_VEST_JACKET
THE公式ハッシュタグリスト(公式note):THE公式ハッシュタグリストができました